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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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至誠堂刊。

非戦闘員を人質に取るなんて、なんて非道なんだ!とカリプソ号の面々が怒っていたのに、なんだか物凄く違和感を感じました。その非道が当然の時代に私は生きているんだと気付くのに少し掛かった。卑怯と非道が効果的というのを知っている身には、海洋小説の公明正大な海の騎士たちはたまにとても眩しい。…だからこその小説か。
また今回はイタリア人勢大活躍で、いつもは一歩引いた方々なので、なかなか興味深かったです。オルシニ坊やの家庭の事情とか。英国と大陸(プロシアやフランスも子供全員が爵位を継ぐ、筈)の相続の違いを説明するときの坊やの困惑が、読んでいてなかなか可愛らしかったです。駄目だよエイトキン、興味あるからってそんなデリカシーの無い…。ただ、オルシニとロッシの会話は、なんとも考えさせられました。ロッシの「あっしならもう平気で眠れるから」という一言には、一体どれだけのものが詰まっているんだろう。
ああそれにしてもスタッフ、お前ってばいい奴だなあ!またジャクソンさんの頭髪には、謹んでお悔やみ申し上げます…。

さて今回、ワグスタッフが74門艦へ嫁(違う)に行ってしまいました。代わりにジョージ・ヒルさん着任。ゴダードの下でゴマすり陸船頭してたのを軍法会議でラミジに理があると見るやさっくり寝返り、使って下さいよと売り込んでちゃっかりカリプソ号三席将校の席をゲットした世渡り上手。ロンドンの銀行家の息子で、ママンが母国語オンリーのおフランス人のために英仏語両刀使い(本文ママ)、やや難ありの言動でエイトキンやサウスウィクの眉間の皺を増やすも、非常に有能な海軍士官かつ船乗り、ついでに陽気なムードメーカー。明るいんだけどどこかシニカルな物言いが今までにないタイプです。あ、なんとなく下睫毛ばさばさのイメージがある。ラ○コムのボリュームアップマスカラ指定。
非常にどうでもいいんですが、この人絡みで腐女子妄想を逞しくしてます、私。年下やんちゃ攻年上優等生受ってどこの学園物BLだよおい!深く突っ込まないで頂ければ幸いです。どうかしてるのは自分でもよく判ってるんだけど…まったく。
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至誠堂刊。

あなたは仕事で一箇所に拘束されています。仕事が終わるまで出られません。
ある日チームリーダーが発狂しました。(唐突な)
今のところ目立った支障はありませんがこのままで行くと最悪、人死にが出ます。外部への連絡は取れません。外部からの干渉は期待できますが望み薄です。更にチームリーダーの権限はほぼ無限です。逆らったら首が飛びます。さーどーする。
「殺る」と回答したら別のシリーズへスイッチか。

このシリーズのなにが好きって、女性陣です。多くの海洋小説において女性はどうもぞんざいに扱われがちな中、「黙っていられるものですか!」とばんばん行動する彼女達はとんでもなく格好良い。かと言ってありがちお転婆娘という訳ではなく(男の幻想と女の理想はこういう所に違いが出ると思う)、なんていうかこう、自然体なんですね。お店で「戦列艦が帆装出来るくらい」レースと布地をひっくり返したり、叶わぬ恋に悩んだり、とにかく生き生きとして魅力的。別の意味でA&MのW夫人ほど生き生きとした女性もいませんが。
その中でもアレクシスの鮮やかさは群を抜いています。軍法会議で臆することなく答弁し、女の武器を最大に生かしてゴダード(いたんだね。相変わらずでちょっと嬉しかったよ)をつるし上げ、とどめに日傘を構えて「さあかかってらっしゃいよ、面白くなるわ!」ときた日にはアナタ。正攻法じゃ駄目、男どもはどいつもこいつも諦めに入ってる…となると馬車をかっ飛ばして次の策に走る度胸と機転と行動力、それでいてとても健気で可愛らしくて、アレクシス嬢大好きです。スパダリ候補の兄君よりはるかに男前だわ。まさかこの巻出演でおしまいなの?うわあ勿体無い。ジアナやサラーと気が合いそうなのに。つか、ジアナとアレクシスと#eのテレサは、絶対にコークスクリュービンタとねーちゃんキックを習得済だと思う。
それと非常にどうでもいいんですが、アレクシスは貧乳希望。セクハラ発言をかます実兄と血で血を洗う口喧嘩を日々展開して頂きたい。

ところでラミジ艦長、あなたが「一にらみで山を平たくしてしまう女性に気に入られる」理由なんて、だからに決まっとりますがな。他にあるかい。 
至誠堂刊。

新婚旅行先はもうちょっと考えるべきだと思います艦長。嫁さんが侠気溢れる上に演技派だったから良かったものの。

仏領ギアナは一度は行ってみたい場所です。何故ならロケットの発射場があるから。打ち上げを見たいんですよ(種子島すら未踏なのに)。地球の自転も速度に加えられる上、衛星軌道に乗せ易いため、赤道に近くなるほど発射条件が良くなるんだそうです。…でも確か未だにマラリアかなにかの予防注射が必須の筈…体力ある方じゃないんだが。
アミアンの和約破れ敵となったフランスから命からがら脱出し、更に悪魔島に護送される政治犯の奪還が今回のラミジのミッションです。ドレフュス事件や映画「パピヨン」の絡みで、悪魔島は現在はがっつり観光地となっているそうですが、当時は文中にもあります通り流刑地でした。今検索してみたら6万人くらい送られて、生きて帰ったのは2万人程度とか。細菌学以前の時代ですし、衛生観念が未発達ということもあって、マラリアをはじめとする病気が凄まじかったらしい。
そういう所からどうやって…と思ったら、やっぱり演技力が物を言うのね。なんと今回、サウスウィクが斬り込みに参加しています。これがまた物凄く強い!両刃の大剣を嬉々としてぶん回し、ばったばったとなぎ倒す。御齢64歳ですよ航海長。カンテラを掲げて戦うエイトキンも格好良かったけど、おじーちゃんの迫力勝ちでした。すげえ。
ジルベールの考え方も、かなり新鮮でした。なにしろフランス革命事始は例に漏れずベルばらなので、王党派=旧守派=悪というイメージが染み付いている。挨拶まで反革命的行為なのか…極端ですが、ポル・ポトあたりまで思考が行き着いてしまった。自然に帰ったら礼儀まで無くなるわけ?ルソーを一度きちんと読んでみるべきか。
また今回登場のクリントン提督とベネット旗艦艦長の遣り取りがもう可笑しくて。ベネットさんのしれっとした言い草も面白いったらありゃしません。エイトキンパパとクリントンさん、ベネットさんの遣り取りも見てみたかった。…三竦みだったらどうしよう。

ブリバントさんについては何も言えません。酒はともかく逃げたくなる気分は判るので。

それにしても丁度この巻の頃、フランス-スペイン国境にかけてフローラが引きずり回されていたかと思うと非常に感慨深いものがあります。ニアミスコースを取っていたらネタにしたんだが。
至誠堂刊。

ご本人の要望でもあることですしラミジをラミジ卿と呼ぶ気はありませんがこの巻のラストに限ってはラミジをらぶこめ男と呼んでやる。

読了後の感想。ジアナはなんて美しいんだろう。造作だけじゃなく、生きる姿勢そのものが。
自分が何者か、というのを知り尽くしているが故の選択が、悲しくも潔く、そしてとても美しい。過去にも何度か暗示されていました(多少の知識があれば疑問が涌く程度には)ので、まあこうなるだろうな、という展開ではあるのですが、それでも彼女の選択には衝撃を受けました。ここまで考えて…。ジアナの造形は最初ッから好きで好きでたまらないんですけど、駄目押しを受けた感じです。なんてお方だ。彼女なら仮にボルテラを包囲されて我が子を人質に取られたとしても、城壁の上でスカートをたくし上げて恫喝して、びびらせた隙に子供を奪回するくらい平気でやる。ええ絶対。

また今回、ブレージー伯爵夫妻が結構大きく出演なさっています。ぶっぱなし親父は前の巻では、「~じゃ」とじいさまっぽい喋り方だったんですが、この巻では普通の語尾です。訳者さんの違いでしょうけど、こっちの方がいいな、現役っぽくて。伯爵夫人がまたいかにもこの方の妻であの方の妹であの人の母親で、ちょっとおきゃんな所が非常に可愛い。旦那さん、齢食ってもべた惚れなんだろうなあ(笑)

あとあの、やはり触れておくべきでしょうか。カリプソ号艦長に六尺褌の存在を教えてやりたくてたまらなかったよ(旧日本海軍の公式下着は褌だ。マジで)。素直にブリーチで行きましょうよ艦長…。それにしてもこの時代の英国海軍の艦長のマッパはお約束か。一シリーズに一度は脱いでるだろうどいつもこいつも!(特にほれいしょ!あんたサービス過剰!)あとあのさんかくけいってえーっと。ははは。
サブタイトル「バルト海の猛き艦長」、ハヤカワ文庫NV刊。
図書館にリクエストし、他市から取り寄せて貰いました。最悪でも国会図書館にはあると判っていたので(オンライン検索って素晴らしい)、割と気楽に構えてはいましたが、早めに借りられて良かった。それにしてもなんであの時手放しちゃったんだろう…莫迦ばかバカ私の馬鹿。

二巻から引き続きの面子が健在で、殊にヤンキー副長のブルースターさん(私の知る限り最も悩みの無さそうな副長)の有能さと艦長への敬愛がことあるごとに描かれていて、読んでいてにやけ笑いが止まりませんでした。そしてセニット城の容赦の無い荒れっぷりももうなんというか。A&Mのジャックの貧乏は半ば自業自得だけど、オークショットの貧乏は不可抗力だからなあ。
今回の舞台はバルト海、大詰めはコペンハーゲン沖海戦です。この海戦を取り上げること自体が珍しい。英仏の周辺諸国がどういう状況だったのか斜めに穿っているような情勢説明が非常に興味深いです。霧深い北の海に暗躍する謎の隻眼の貴族、相対する英国海軍の艦長、謎の美女、舞台設定だけでもわくわくする。つか、ベアンシュトーフ伯爵がオークショットに「あなたが好きだからですよ――しかも、一目惚れですな」と言った時には心拍数がばっくりと(落ち着け)
このシリーズは本当に、図書館の閉架から引っ張り出してでも読む価値はあります。全三巻と短いですし、海洋小説に手を出したいけどA&MやHH、ラミジは長いからと躊躇っている方にこそお勧めです。是非是非!

ところでこのシリーズが全三巻で止まっているのは、第三巻のこの本が著者のチャロナー氏の遺作だからです。
使ったエピソードや話の引きから考えて、オークショットは長編として構想されていたのだと思います。きっとこの金銀妖瞳の艦長にトラファルガーで、想像もつかないようなとんでもないことをさせようとしてたんじゃないでしょうか。まあ二巻のアレだけでも相当なものでしたが。あれにゃ顎が落ちたさ。
新たな彼の活躍も、のちに海軍少将となり回顧録を書く彼の甥の成長も、ブルースターさんの帽子の羽飾りの増殖過程も(彼の伊達男振りにはA&Mの黒鳩卿も負ける…)見届けることが出来ないのは、とてもとても残念です。せめて残された物語だけでも、何度でも読み返し新鮮な楽しみを見つけることが出来たら。そう思います。
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