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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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紙端国体劇場様の二次創作です。ご本家、実在物とは一切関係ありません。
外房×内房です。完全女性向けにつき念のため折り畳み、御用のない方はスルー推奨。
過日についったさんでつぶやいたのが妙に気に入ったので加筆修正してみました。

 「あらま、御神酒徳利ってのはあんた達を言うんだねえ」と驚嘆しきりのおばちゃんに曖昧に笑って会釈して、外房と内房は改札を抜けた。同じ制服で連んでいるのを売店に座って毎日目にしているはずなのに、やはり和装だと違うのか。夏の浴衣ならまだしも春先に紬の羽織なんて、よほどの物好きでなければいまどきねーか、と外房は横目で内房を盗み見た。こころなしかうきうきと歩く内房の足さばきは、久しぶりに着物を着るにしては悪くはない。白足袋に汚点ひとつつけずにここまで来るなんて大したものだ。
 随分と前に総武に揃いで貰った反物を、沿線のイベントに駆り出されるついでに仕立ててみたのだ。同じ織柄の紬で差色がたがいに一色だけ違う。確か常州の反物だと総武は言っていた。襦袢の襟と羽織の紐に相手の色を使って、少しあざといと思わないでもなかったが、総武が褒めてくれたから良しとしよう。羽織紐は銚子で買った。ペアルックと冷やかした東金のことは締めておいた。
「それで、こいつぁどうすんだ?」
 菜の花の束を抱えた内房が問うた。新聞紙にくるんで色気もそっけもない。なのに柔らかな刈安の襟に鮮やかな黄がぱっと映え、顔立ちがびっくりするほど晴れやかに見える。お宮さんに飾るんだとよ、と返しながら、外房はそっと目を伏せた。総武すらたまに取り違えるほどにそっくりな、分け目が違うだけで同じ造作の顔なのに、割と頻繁に互いに拳を叩き込むほどに遠慮も容赦もない間柄なのに、たまに、本当にときたまに、どうしようもなくいとおしい。
 と、襟足にひやりと何かが触れて、外房は飛び上がった。ヒヒヒと内房が笑うのを見て首の後ろに手を遣ると、菜の花が一差し落ちてきた。
「桜か桃ならもっと格好つくけどよ」
 昔の粋筋の旦那衆のように、襟首に花枝をちょいと挿して、お前ェ格好良いからよ。桃色の襟に黄色なら、目立つし良いだろ?と笑って指を伸ばされたら、もうされるがままになるしか外房には手が無かった。
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