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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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ご本家はヤンキー設定で県民として納得するしかない田舎ヤンキーぶりでそこがたまらないんですが。

紙端国体劇場様の二次創作です。ご本家、実在物とは一切関係ありません。
外房×内房です。完全女性向けにつき念のため反転、御用のない方はスルー推奨。
もしお使いにならない長襦袢や絹胴裏をお持ちでしたら、垢すりにしてみては如何でしょう。肌を傷めずに垢太郎を制作可能な勢いで汚れを落とせます。顔にも使える。初めて使ったときは泣けました。

 安い赤に気を取られ、引っ張り出したらこれだった。
「外房よぅ」
「おーう」
「お前ェ、最後の女ぁいつだっけ」
「確か戦中」
 ヒトモドキのこの身は子孫など望むべくもなく、一方で男としての機能自体は成立しているものだから、玄人相手に深い仲になるのも珍しくはない。ただ総武がそのあたりの事情に口を噤んでいるので、千葉の仲間内で揶揄以上の話題になることもめったに無い。
 下りの終電が遅れ、面倒になって外房の部屋に転がり込み、寝間着を借りようと箪笥を漁って出てきたのは女物の長襦袢だった。正絹というだけの安手の染で、ところどころが薄く黄ばみ、半襟を付けたままで袖で畳んで丸めて隅に押し込められて、当の女の処遇もわかろうというものだった。
「どしたィ、なんかあったか」
「いーや、なにも」
 ああ見えて外房は内房よりもよほどまめな男で、今はアイロンを掛けている筈だった。黒い詰襟服の下に着る白シャツは手が切れるほど糊を利かせるに限る。総武もそうだがいつも着崩している割に、そういった基本がきちんとしていないと気が済まないという性質だ。ふすま二枚ほどを隔てた外房の声はのんびりと間が抜けていて、一方できびきびと働く手を思い出すと内房はなんだかおかしくなった。
 だからこそ、長襦袢は異質だった。
 外房の箪笥を漁るなど何十年来の日常だ。なのにこの長襦袢に目を留めたのは今さっき。長襦袢の持ち主はおそらくとうにこの世におらず、いたとしても昔日の面影は偲ぶべくもなく、己でさえも名が変わり動力が変わり、いままた国鉄という体制そのものが変わろうとしている。ただ黄ばんだ塩瀬の半襟が、外房の、―― 房総東の、房総の手繰る手の動きをとどめたままにここにある。
 内房は襦袢の片袖に半身を入れた。裄も着丈も全然足りない。古い正絹特有のぬめるような感触がシャツ越しに肌をすべり、と同時にごくごく微かに脂粉の香りを捉え、知らず息が細くなる。
「おい」
 湿った声が襟足を舐めた。孕んだ熱は布越しに内房の背をぞろりと撫でた。引き出しに顔を俯けたまま、内房は総身を粟立たせた。
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