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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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うそぴょん。
いまさら、ねえ。

そんな四月馬鹿の今日、読み返したのは伊藤計劃「ハーモニー」。
伊藤氏の著作「虐殺器官」と対比する真っ白な装丁がうつくしい文庫です。
なぜ読み返したかといえば31日の夜にT山さんとの話題に出たから、というだけなのですが。英国パラソル奇譚の3巻をまだ読んでません。ナナカオの7巻まだ買ってねーよ!伊藤氏の灰色のうつくしい文庫も出たというに!溜めてるの読めよ!

そうして読了して愕然としました。
このハーモニクスな世界に私はとても憧れる。人間が完全な社会性を持った世界に、私は身を置きたい。
そこに個はありません。なぜなら個、自意識は進化の過程において獲得したモジュールでしかないから。人間を人間たらしめるのが自意識であるとするならば、生物であることを前提にするならば自意識は要らず、また自意識が脊椎生物と社会性を持った生物であるという溝を埋めるためのモジュールならば(隣人は飢えている=私の食料を分けよう=信頼=ふたりで作物を育てよう=生産の拡大)、溝が埋まればモジュールは不要になる。自意識、そして魂を永遠に葬り去った、選択も決断も不要のすべてが自明の世界。社会が最小の単位である人類という種。社会と個の完全な一致を見た世界。なんてうつくしく調和の取れた。
社会性の生物といっても、蜂や蟻の生態が美しいのと同じ、ではないような。自意識が消え、調和という確固たる意思が存在しているからか。
どう考えてもディストピア、でもどうしようもなく完全なユートピアを見ました。あまりに美しく妬ましい。そうして実際にこんな世界に身を置けたとしても、「私」はそのとき、どこにもいないのですが。

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