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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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新潮文庫刊、上下巻。

えー、私がエドワード黒太子をあんまし好きくないのは、リモージュの虐殺のせいでございまして。
ついでにジャンヌ・ダルクをあんまし好きくないのは、デムパ入ってるよな絶対それに処刑された時フランス側も喜んだだろーなーだってとっても厄介払いと思うからでございまして。
大体百年戦争自体あんまし興味ありませんもので大して調べもせずにスルーしてた訳ですが。
面白えじゃねえか畜生。

要約すると、騎士道華やかなりし頃に近代戦の思想を持ち込んだ男、ベルトラン・デュ・ゲクランの一代記です。と同時に、彼と共に…というか、彼を侵食し、同時に振り回された人々の群集劇でもある。そしてどうしようもなく人間の物語でもある。
そこらへんの描写はやはり佐藤賢一氏の持ち味で、すぱんとした語り口ながら繊細な筆致で読ませます。特に黒太子については容赦無いです。騎士の鑑?ハッ!ってな気分にさせられる見事な●●っぷり。まあ大概、騎士物語ってのはヘタレと紙一重なものですがまーさーか黒太子が俎上に上がるとは。これだけでも読む価値あり。あと時代背景と戦争の描写が凄くわかりやすいです。知識が無くともつるっと読める。小説はこうでなくては。
そして最終章。この話は絶対に英雄譚じゃない。英雄譚なら読了後にこんな気分にはならない。
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創元推理文庫刊。

「ハメルンの笛吹き男」が実話だと知ったのはいつだったか。
この話の主人公も、タイトル通りパイド・パイパーよろしく子供たちを引き連れてヨーロッパ横断の旅に出ます。最終目的地は英国の我が家。時は1940年の夏、伍長閣下大活躍の時代。
ハメルンと違うのは子供たちは安全を願う親や親戚からの託されものだということです。そのいきさつを描いたロードムービーならぬロードノベルがこの話。なんつーか、全体に淡々とした描写が却って情景を際立たせて、なんでこんなところでというところで不意打ち食らったみたいに涙が出てきて困りました。別にお涙頂戴の描写なんかないんですが。(「渚にて」の著者にそんなこたあ期待しません。)
キャラ的には最近ブリティッシュにめろめろでございますが、この主人公もまたいい味を出してる。しかも今回は70のじーさま、内心毒づいたり途方に暮れたり大忙しなのに、あくまで飄々とした言動にダンディズムが感じられてとても良い。「なんでもないこと」のように聞き手に語っていくのがもう。彼と彼の息子さんの恋人との遣り取りも、さりげなさに人生の重みを感じさせて、じんわりと心に沁みるのです。

ところでハメルンて、連れてかれた子供たちが通ったため、音楽や踊りを禁じる「舞楽禁制通り」というのがいまだにあるそうです。
彼らはどこに行ったんだろう。この小説の子供たちみたいに、安らかな日々を迎えられたんだろうか。
ハヤカワ文庫JA刊。

博物館ネタというだけで無条件に読んでしまう。「八月の博物館」(これもそのうち改めて)もそうだけど、未来を書いているのに何故か感じるのはノスタルジイ。博物館だからか。博物館、というかミュージアムは全て、ある意味、墓標だと思ってますので。
脳に外科手術を施し、直接コンピュータとアクセス出来るようにするというのはそろそろ定番の設定となりつつありますが、ここで手術を施されるのは学芸員…というのはちょっと目鱗。PCやネットが普及した今日でも(いや、だからか)検索って面倒くさいからなあ、漠然としたイメージで出来るのならそりゃ便利だ。ただ、このツールの使用範囲をどこまでと設定するか、どう使うのかがこの話のキモ、かな。結局は人間に行き着くんですけど、そこに至るまでが読ませます。…ちょーっとだけラストに納得出来なかったのは、単に私がそういう使い方をしなきゃならない理由を考えられないせいだと思う。
あ、私がもしそういう手術を受けられたとしたら、最初の一ヶ月ぐらいはイメージ検索で遊びまくって、で、すぐ飽きるんだろうなー。予想がついてつまらん。
サブタイトル「はみだし者の海戦」、徳間文庫刊。

すげえ!DQNおやじすげえ!
いやあ海事用語解説が初心者向けとか軽めなんで本当に初心者にお勧めとか主人公が本当に青春してるぜヘイヘヘイとかいろいろあるけど、主人公父のインパクトが凄すぎる。私が知るうちで海洋小説中随一のDQNぶり。彼に比べたらジャックのお父さんなんて全然まとも。はた迷惑度はミスタ・オーブリーのが上かもしれないけど。うわそれにアランにつきまとう彼はあなた…。著者がアメリカ人だからでしょうか、娯楽性が高いというか、なんか今まで読んだ海洋小説とは一味も二味も違います。新鮮。
至誠堂刊。

ラミジが傷痕をこするたび「今週のびっくりどっきりメカー!」と心に叫んでしまう私はXX歳。
シリーズものの第1巻目は往々にして説明に終始するため、面白くなるのは2巻目からと相場が決まっておりますが、やはり登場人物のポジションが飲み込めた分だけ読んでいてにやりとする回数が増えたような気がします。また一巻を読み直してみようそうしよう。
基本的に冒険娯楽小説なのでご都合主義が目立つなとか、そういう点が気になるっつっちゃ気になるんですが、冒険娯楽小説だから気にしない。「頼りにしてますぜ艦長!」の心意気で、襲い来る試練の数々をどうラミジと仲間たちが乗り越えていくのか、わくわくしながら読むのが正解か。つかテンポ早くて考えてる余裕が…。
本選びの参考にさせて頂いたレビューにもありましたが、戦闘とそれに先立つ準備の緻密な描写、更には戦いに臨んでのアップダウンを繰り返す心理描写は、この手の作品の中では随一を誇ると思います。特に戦闘準備、船影発見の一報から小太鼓が打ち鳴らされ、艦載艇が下ろされて固定索が解かれて…の一連の流れはまるで見ているよう。何故この作業をするのかという理由も簡潔に書かれているので、他の海洋小説を読む際にも非常に参考になります。
別の点では訛りの書き分けが面白い。ロンドン下町訛り(コクニー?)は江戸っ子べらんめえ調、元漁師の口調は指輪原作のサム語風だし、ジェノバ人の操る英語はまるきり怪しい中国人。ここら辺の翻訳の妙にはただ拍手。
ところでバレンタイン海戦、確かジャック・オーブリーやホレイショ・ホーンブロワー、リチャード・ボライソーその他もろもろも参加してた筈。となるとー(なに考えてるんですか秋津さん)(悪いこと)(やめなさいて)
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