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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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文春文庫刊。

この本、現在は絶版です。ネットにて存在を知ったのですが、図書館で他市取り寄せまで頼んで読んでしまった。どこで知ったかについてはノーコメント。ご想像の通りです、まず間違いなく。

ベトナムのショックで子供のようになってしまったジョニーと、彼の上官でギャンブル狂のマックは、賭け事のいざこざが元でギャングの殺し屋となる。マックが仕事を取ってくると、ジョニーが天使のように人を殺す。ジョニーの頭の中にはテレビとアイスクリームと「仕事」しかなく、彼の世界にはマックしかいない。彼らの生活はある日、予定外に警官を殺した時から変わってしまう。殺された警官の相棒は復讐を誓い、そして…という話です。
原題「Triangle」が全てを物語っています。とにかくジョニーにはマックしかいない。マックが世界の全て。マックの意思が彼の意思。マックの喜びが彼の喜び。ほかにはなにもない。せいぜい西部劇観たいとかチョコレートアイスクリームが食べたいとか(また子供のように異常な集中力で食うんだ、アイスだのなんだのを)、それぐらいしかジョニーの自主性はありません。というか、マックに全てのエネルギーが傾けられていて、他に回す余裕が全然ない。そんなジョニーを始めはなりゆきで、持て余しながらも逆に彼の存在に依存し始めるマック。そこに「復讐」というには余りにも余りな意思と執着を持った他者が介入したらどうなるか。訳者あとがきに「女性が書いたとは信じられなかった」とありますが、どう考えても女にしか描けんだろ、この関係は。
殺すわ死ぬわバイオレンスでサイコ入っててエロありで確かに描写はきつい。ドラマチックに盛り上がるわけでもないから却って殺伐として怖い。ですが、きりきりと追い詰めあい、変質していくふたり(途中から強制介入で三人)の関係は陳腐な表現ですが張り詰めた糸のようで、直接的な暴力の描写より恐ろしくて息が詰まる。彼は彼になにを求めているのか、彼は彼をどうしたいのか。彼は彼とどうありたいのか。このみっつを常に問い続ける描写は、類がないように思います。クライムノベルとかサスペンスとか表現されてるけど、そういうジャンル分けで区切れるんだろうか。そんな話でした。

結論としてはあれです、取り敢えず腐女子は読んどけ。そんなカンジで。(違う
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