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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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角川文庫刊。

ミュージアムとは墓標である。収められているのは全て過去の残骸であり、未来についての展示もまた、過去における未来の展示に過ぎない。ミュージアムの内容は考古学上の遺物、化石から絵画、時に音楽、音声にまで至るが、ミュージアムに収容された時点で時間軸とは切り離され、全て過去の文物となる。それがたとえ、ミュージアム外の市場に流通しているものであっても。
小説とは未来への暗示である。描かれた舞台がはるかな太古であったとしても、文字のつらなりにより筆者を切り出し、現在をそこに置き、再構築してあらたな物語を積み上げる作業の結果である。
同時に、墓標は未来への母体となり、未来は過去という遺体を切り刻んで成立する。

以上、電波の入った、かつ鬱陶しい感想文でした。
夏は姑獲鳥で始まり照柿で煮詰まって、博物館で終わるのがここ数年の習慣です。

小説文中に引用されている「サン=シモン主義者達の<新聖書>」は、この小説で知ったんですが、音読してしまうくらい好きです。映画「スチームボーイ」の世界にちょっと繋がると思う。
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