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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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一作一作の間は結構開いてるんですけどね。
なんか最近、上映館限定の作品を集中的に見ています。今回はその感想など。毎度ながらネタばれです。ううう皇帝ぺんと姑獲鳥を見逃したのは近来稀に見る痛恨事だ。くーやーしーい!


■魁!クロマティ高校
友人と二人で鑑賞。実写化の心意気を俺は買うね。原作の空気をここまで忠実に再現してのけたスタッフに惜しみなく拍手。特にメカ沢とフレディが色々と最高過ぎです。久々に映画館で爆笑しました。宇宙猿人ゴリという飛び道具もよくもまあ…(褒めてます)。判る己もどうかと思うが。

■ヒトラー 最後の12日間
クロ高と同日にこれを見るってなんか間違ってる気が…まあいいや。
長編です。ですが全然長く感じない。凄まじく濃厚で、一瞬たりとも目が離せなかった。
タイトル通りヒトラーが自殺し、ドイツが降伏するまでの12日間を、秘書嬢の目を通して描き出した話です。どうしても「モレク神」と比較してしまう。こっちの方が描写に情けが無いか。
史上最悪の独裁者が秘書嬢からすると親切な「アドルフ小父さん」というのが却って寒々しい。一方で落日に臨んでなお君臨する支配者でもあり、かつ状況が切迫すると比例して狂騒し、自らと周囲を追い詰める夜郎自大で誇大妄想の狂人でもある。彼もまた人間だった、と言ってしまうのは簡単だけど、この映画が言いたいのはそういうことじゃないだろう。
伍長閣下を描くと同時に、群集劇でもあります。伍長閣下の周辺と、官邸地下の司令部の外でソ連軍の侵攻をぎりぎりの所で足止めする(最早時間稼ぎにもなりゃしない)国防軍、士気衰えぬというより偏執じみた武装SS、内外から蹂躙される市民。それぞれのギャップが哀れなほどで、国が滅びるってのはこういうことかと凡例を見せられているような。
捩れ切った状況を最も端的に表現していたのは、やはりマグダ・ゲッベルス夫人だったかと。シックなクチュリエ風の衣装をまとい、美しく髪をセットして口紅を差し、子供たちに慈愛の微笑を向ける彼女は、灰色の地下司令部でおぞましいまでに異質、同時に女神のように君臨していました。監督は彼女を通して何を描きたかったのか。だって時を追うごとに(つまり逃げ場が無くなるにつれて)美しさが増すってどういうことなのよ。目つきがどんどん狂気を帯びて、で、ある一点を通り過ぎると澄んできて、その冴え冴えとした佇まいが最後には演技に見えなかった。恐怖とかそういう次元じゃない、あれは何か見ちゃいけないものだ…。
一緒に観た友人と、感想を言い合ってて言葉を捜しあぐねて時々沈黙に陥りました。語りたいことが多すぎて全然まとまりません。萌もありましたが(いえプロイセン気質のゲルマン親父はもろにストライクゾーンでしてね…)この混沌には萌すら翳む。それほどまでに濃い作品でした。
ついでにキャスティングを含め、ディテールの細かさにはただ絶句。ゲッベルスが歩くときに乾いた音がするってそういえばこいつ片足が義足…!ヨードルとカイテルが一発で見分けられたのも滅茶苦茶怖かった。
これはDVD購入決定。何度も見直さないと消化し切れないと思う。

■愛についてのキンゼイ・レポート
白状します。ラスト10分は寝てました。前日ろくに寝てなかったもんで…あああ。
40~50年代のあまりにも保守的な時代(あんまりにもあんまりで本気で呆れた)、処女童貞で結婚して初夜に失敗し、その経験から性に関する研究が必要と痛感したキンゼイ教授が、実践し栄光を得そして転落し社会から抹殺されるまでの物語。「私は普通なんだろうか⇒普通ってなんだろう⇒じゃあ統計を取ってみよう」で、心理学をも駆使して全米からセックスに関する聞き取り調査を実施するんですね。調査の過程で実践に及んだりもするんですが。助手(男性)と寝たりしてさ。目的の為に手段を選ばず、手段のために目的を一部忘れるあたり、キンゼイ教授ってば学者馬鹿の典型かつマイルドに鬼畜です。ただ一緒に観た友人がゆーてましたが、奥さんにも同情出来ません。何故なら奥さんもノリノリだから。
当時のアメリカの性的モラルが一番の衝撃でしょうか。ここら辺は深く突っ込むとシューキョーにまで及ぶので多くは語れませんが、まああたしら日本人だもんね、ザビエルさんやフロイスさんをびびらせた民族だもんねえと生温く微笑んでしまう無垢っつーかカマトトぶり(を強制する社会)。だからこそ教授の研究は必要なものだったと思うのだけれども、同時に反発が発生するのは必至、更に必要以上のモラルの崩壊を招くきっかけとなった(と今でも評される向きがあるそうです)として、ついには破綻してしまうのもまた予想出来てしまう。なにより、この調査は純粋に性愛に対する統計調査で、メンタル面を全く無視しています。理詰めだけですんすんはあはあに片がつけられりゃ誰も苦労はしないって。で、強烈なしっぺ返しを食らい、どん底に陥る中で教授は何を見つけたか…という所を居眠りして見逃しました畜生。オチの為にもう一度観ないと。しかし自宅では観られんなこれは。さてどうするか。
ちなみに無修正ですが標本を見てるようなもんで全然感じません。実際標本か。
あ、劇場に入場の際、現代日本人版キンゼイ・レポートの小冊子を貰いまして、その中の理想のセックスはという項目の回答に馬鹿笑いした後、なんで自分はそこらへんのイメージが乏しいのかに思い当たって軽く死にたくなりました。性的ファンタジーを創作二次創作と萌へざくざく振り替えてしまって当事者意識が薄いからだ…。

■ルパン
モンゴロイドとMUNAGEは相容れねえ。てゆかさ、紳士と言うからには髭はきちんと整えていて欲しい訳よ。
有名どころのエピソードを綺麗にまとめて、十分に楽しいエンタテイメントでした。一場一場がお洒落で洗練されてて、おふらんすがエンタメするとこうなるか、とハリウッドと比べて楽しんだり。
特筆すべきはカリオストロ伯爵夫人。設定も実際に演じている女優さんも、若くはないんですよ。小皺が浮いてるし、首筋が筋張ってるし。ですがこれが文句無しの美貌と気品と色香。時に愛らしく時に毒を湛え、なにより非常に「美味しそう」なんです。ヒロインがただの田舎臭い小娘に見えるくらい。欧州における美女の概念の一端を示しているようで、へえと思いました。それこそハリウッドなら、伯爵夫人はもうちょっとべとっとした感じに描かれるんじゃないかしら。彼女を観るためだけでも、鑑賞をお勧めします。
そいと風俗描写がねー、そりゃもうきっちりしてていやあ嬉しかったなあ。19世紀末から1940年代にかけてのファッションて大好きなんですよ。ラインが綺麗でさ。
…えーと主人公はね、そのなんつーかね、やっぱMUNAGEがね…ちょっと。ねえ。


さて、銀河ヒッチハイクガイドは観に行けるのかなっと。
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