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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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鷲見洋一訳、新潮社刊。
どうも香料づいているので図書館から借りてきて再読。初読は中学の頃だっけか。
キャロン社様から手を引いていたと知った時の絶望は忘れんぞカ●ボウ。

欧州に於ける香水・香料についてのトリビア本です。嗅覚とは、また香水とはなんぞやの文化論から始まって、香料の歴史、調香師(「ネ」と呼ぶべきか)名香列伝、流通論と、読めば香水についての一通りが判ったような気分になれます。この「ような気分」というのが曲者で、今読むとトリビアと見せ掛けて著者のアノトー氏がひたすら香りについて語っているだけのような気がしてならん。面白いけど。
一頁ごとに入る棘と皮肉は民族性か著者個人の資質か。褒めるにしたって様々なテクニックがあると思い知らされるレトリック。盲目的ではなく、むしろ突き放し解剖し分解し、冷徹に分析してそれでもなお愛していると言い切るような言葉の連なりが快感です。似てるな、と思ったのは「月下の一群」。同じ仏文という訳じゃなかろうけど、言い回しがちょっと似ている気がする。これは翻訳の勝利でもあるな。でありながら、しっかりと薀蓄してるのもまた凄い。第二帝政のブルジョワジーの台頭について、これほど判りやすくまた初心者向けに詳しい記述を、私は知りません。同様に、天然香料と人工香料の生成方法、その用途と目的と機能の相違性と類似性について納得させられたのも、この本だけです。また端々の挿話の楽しくほろ苦いいこと。「文章の四つ辻で、香りがひとすじでもあなたのところまで届いてくれればしめたものだ。」お陰様でジョイは混沌と狂乱と半ば自棄気味での自尊心とおふらんすっつーより30年代お気楽ぶるじょわアメリケンが頭を過ぎる香りです。私にとってはね。
なお、フランソワーズ・サガン(セシルカットがただのスポーツ刈りになるワタシ)が著者として名を連ねていますが、彼女は主著に合いの手を入れる程度。尤も、短いながらも流石の存在感は、共著と称するに足ります。
そんな訳で薀蓄としても文芸としてもエッセイとしてもお勧め。って多分絶版ですがF**K。香水がお好きな方、愛用の香水をお持ちの方は、是非とも図書館で探してみて下さい。いい感じに酔えます。


ついでに狙ったように香水バトンが回ってきたので回答。

■持っている香水の数・名前
 現時点ですぐ使えるのが15本。EDP、EDT、EDC、ソリッド含む。
 ゲラン「夜間飛行」「アクアアレゴリア ミントフォーリア(廃盤)」、資生堂「沙棗」「ばら園 芳純(廃盤)」、シャネル「No.5」、コムデギャルソン緑汁、カルバンクライン「Truth」、ロクシタン「オーデキャトルレーヌ」「ネロリ」「ネロリィローズ(廃盤)」「ペパーミント(廃盤)」「ロータス(廃盤)」「ラベンダー(廃盤)」「シトロンツリー(廃盤)」、オリジナルカクテル香水「into Fog」。
 あと天袋のどこかに未開封のファーレンハイト(ここ何年か見掛けない)

■愛用・お気に入りの香水
 沙棗と夜間飛行とギャルソンが廃盤になったら立ち直れない。

■好きな香り
 こってり甘いパウダリーやオリエンタルか、ひたすらドライか両極端。
 クラシックな調香が好み。最近のはどれも似たり寄ったりでねえ…。

■香水にかけた最高金額
 一本につき最高でも4万は行っていない筈。

■どこに香水つける?
 腿。リタッチ時は手首か耳の裏(濃度による)

■次の人
 ひがしのさくらさま、ひろやんさま、柊紫苑嬢(元気?)、縦溝、倉崎女史。
 いつもの如く見かけた時にでも拾って行って下さい。勿論スルーも無問題、解答済みなら申し訳ない。宜しくです。
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