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今日何を読んだ、面白かったレベルの読書感想文メイン雑記
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角川文庫刊。

ミュージアムとは墓標である。収められているのは全て過去の残骸であり、未来についての展示もまた、過去における未来の展示に過ぎない。ミュージアムの内容は考古学上の遺物、化石から絵画、時に音楽、音声にまで至るが、ミュージアムに収容された時点で時間軸とは切り離され、全て過去の文物となる。それがたとえ、ミュージアム外の市場に流通しているものであっても。
小説とは未来への暗示である。描かれた舞台がはるかな太古であったとしても、文字のつらなりにより筆者を切り出し、現在をそこに置き、再構築してあらたな物語を積み上げる作業の結果である。
同時に、墓標は未来への母体となり、未来は過去という遺体を切り刻んで成立する。

以上、電波の入った、かつ鬱陶しい感想文でした。
夏は姑獲鳥で始まり照柿で煮詰まって、博物館で終わるのがここ数年の習慣です。

小説文中に引用されている「サン=シモン主義者達の<新聖書>」は、この小説で知ったんですが、音読してしまうくらい好きです。映画「スチームボーイ」の世界にちょっと繋がると思う。
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ハヤカワ文庫JA刊。

博物館ネタというだけで無条件に読んでしまう。「八月の博物館」(これもそのうち改めて)もそうだけど、未来を書いているのに何故か感じるのはノスタルジイ。博物館だからか。博物館、というかミュージアムは全て、ある意味、墓標だと思ってますので。
脳に外科手術を施し、直接コンピュータとアクセス出来るようにするというのはそろそろ定番の設定となりつつありますが、ここで手術を施されるのは学芸員…というのはちょっと目鱗。PCやネットが普及した今日でも(いや、だからか)検索って面倒くさいからなあ、漠然としたイメージで出来るのならそりゃ便利だ。ただ、このツールの使用範囲をどこまでと設定するか、どう使うのかがこの話のキモ、かな。結局は人間に行き着くんですけど、そこに至るまでが読ませます。…ちょーっとだけラストに納得出来なかったのは、単に私がそういう使い方をしなきゃならない理由を考えられないせいだと思う。
あ、私がもしそういう手術を受けられたとしたら、最初の一ヶ月ぐらいはイメージ検索で遊びまくって、で、すぐ飽きるんだろうなー。予想がついてつまらん。
創元推理文庫刊。

マキャフリイ女史だと思うからもにょるんだな…。
たまに引っ張り出して読みたくなる一冊です。ラブロマンスありスリルとサスペンスあり猫ありのお約束展開ですが、そのお約束展開が嬉しいというか、幸せだったりします。著者がマキャフリイ女史という点から目を逸らしさえすれば。
女史の作品というと「歌う船」や「クリスタル・シンガー」などの系統をまず思い浮かべるので、肩透かしを食らった気分になるのではないかと自己分析。これは女史を意識せずに、おとぎばなしとして読むのが正解だと思います。ともかくもタイトル通り、猫好きの方には一読推奨ざます。

追記:久しぶりに読んだら、グレネジョンの俺的キャスティングがジェームス・ダーシー氏(映画「マスター・アンド・コマンダー」のプリングズ副長)で固まっていてびびりました。どういう基準だ私。
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